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格差という問題 [社会]

最近、格差社会という言葉が世間を闊歩している。しかし、格差とは何なのか。

情報格差、世代間格差、地域格差、賃金格差、一票の格差など格差にはいろいろある。それらの全てが格差社会を生む根源ではある。情報格差があれば、機会が均等であるとは言えず、世代間格差も人口の多少、年金問題などいろいろな部分での格差の原因である。地域格差と賃金格差は連動する部分もある。同じ労働をしても雇用形態によって賃金が異なったり、地域によって賃金が異なることは格差であり、一票の格差も参政権の公平性に問題を投げかけている。そして、一票の格差が国政に反映されていないとは言えないのも事実だ。

格差が広がり、格差社会になったという表現がなされることが増えている。では、どれが広がったのか。多くある格差のうちでどれが広がったのだろうか。まずは、情報格差は広がった部分と狭まった部分がある。その大部分を占めるのがインターネット網の整備だろう。インターネットの普及によって情報は質量を増やし、情報を受けることができる人を増加させた。しかし、その一方でインターネットの恩恵を受けることのできない人々もいる。また、世代間格差とも関連するが、高齢者にはインターネットを利用できない、もしくは利用しないものもいる。それによって情報が届かない世代という格差を生んでいる。また、就職などにおいてもインターネットは大きな役割を果たしており、それらとつながらない人々には雇用の機会を失う可能性をはらんでいる。これも情報格差と雇用格差が関連しているといえる。

多くの格差は、互いに連動し、連鎖し、格差社会を構築している。とはいえ、この国の格差は、大きくはない。まして、機会均等とまでは言えないまでも、機会は応分にして与えられている。少なくとも時代の推移の中で格差の原因は減少している部分が多い。だが、すべてが減少しているわけではない。格差の原因が増加している部分もある。

特に大きな問題であるのは、雇用格差と、地域格差の問題である。産業が多く、人口の多い都市部と地方の格差は大きく、賃金格差は開く一方であり、公共事業の減少、農業政策の不備などから地方は疲弊し、地方都市の商店街の多くがゴーストタウンとなり、農村、漁村などの集落には限界集落と呼ばれるようになった地域も現れ、さらに増える傾向にある。

格差を埋めるのは政治の役割であることは言うまでもない。情報格差、世代間格差、地域格差、賃金格差をどう調整するのか。すべてが関連し連鎖しているだけにその舵取りは慎重であらねばならないが、慎重に過ぎて後手に回ってはならない。拙速も巧遅であってもならないだけに難しい問題だ。


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コメント 3

La_vbl_kok

訪問有難うございます(^O^)
今の日本にとって、この格差こそ問題の様な気がします。健康保険も一部今日から変わりましたけど、これが又どう影響するのか( ̄‥ ̄;)
問題山積みですね…。
by La_vbl_kok (2008-10-01 18:35) 

sirokuma

私の住んでいる市も過疎になりつつあります。
環境はとても良いのに若者がどんどん出て行ってしまう・・・・・
これも様々な格差の影響なのでしょうね。

by sirokuma (2008-10-01 20:11) 

yukikaze

神楽様、flutist様、sirokuma様、みかんママ様、La_vbl_kok様、niceありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

La_vbl_kok様、コメントありがとうございます。その通りです。問題山積です。健康保険料などの問題もどうするのか考えなくてはいけません。いろいろな問題が山積する中で、次の国会では各党がそれらの問題にどう取り組むのかを論戦で深めて行く必要があります。

sirokuma様、コメントありがとうございます。環境が良くても仕事がないということもあるでしょうし、若者が出ていく理由はマスメディアによる都市礼賛の影響もあると思われます。実際に、都市部が良い所であるわけではなく、郊外へ移住する人も増えているのですが、そういう点にはあまり触れないマスメディアが多いように感じます。そういう情報操作が格差を生んでいる部分もあると思います。
by yukikaze (2008-10-06 13:50) 

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