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教育者の現状 [社会]

今日、産経ニュースに下記のような記事があった。


生徒の母親と“いけない関係”に 副校長ら諭旨免職  東京都内の公立小学校の副校長(48)らが生徒の母親と性的行為を行うなど不適切な関係だったことが分かり、都教委は13日、副校長ら教員2人を諭旨免職とするなどの処分を行った。  都教委によると、区部の小学校の副校長は昨年7月、PTA活動で知り合った児童の母親とホテルに宿泊し、飲食するなどした。さらに同年9月から11月にかけて3回、ホテルで母親の胸をさわったり、抱きしめるなどの性的行為を行った。PTAの関係者から学校に苦情があり、事情が判明したという。  また、別の公立中学校教員(42)は昨年6~7月の間、教え子の母親と計5回、ホテルで性行為を行った。母親の様子がおかしいことで、不倫が夫にばれて発覚した。 

 このほか、生徒1087人分の個人情報が入ったUSBメモリなどを紛失したとして、多摩地区の高校教員(55)を減給1カ月の処分とした。


この事件とは別だが、私の前々職の時の会社にいた女性の話を思い出した。その女性は私より12歳年上で今は40代の半ば。当時は37歳だった。その女性には中学3年生の長男と小学生高学年の次男がいた。その長男は奈良市の公立中学校に通っていたが、その中学校の教員から性的関係を求められて困っているという相談を私と、私の先輩の二人は受けた。その内容は以下のようなものだった。

まず、奈良県には特殊な事情があるのでこれを説明しなくてはならないのだが、これは現在でも続いている。それは高校受験における内申書の比重が高いということである。本試験より内申書が合否の分かれ目といわれるほど内申書の評価は進学を左右する。

事実、私の高校時代の友人で学力優秀、体育会系のクラブ活動でも優秀な成績で、性格は明朗闊達、そして、大学は旧帝国大学といわれる大学の工学部へ進学した。私の通っていた高校は大阪府下の私立高校では3番手クラスの高校で、府立高校の一番手クラスを受ける学生の落ち止め校というランクだったが、そのなかで彼の成績なら奈良県下でも一番手クラスである「県立奈良高等学校」を受験できるはずのレベルの学力だったが、中学校での彼の進学指導では、3番手、4番手クラスの「県立平城高等学校」だった。なぜなら、内申書の内容が悪いからということだった。では、高校での成績と中学校の成績がそれほど落差があるのかという疑問が当時から私の中にはあった。しかし、その理由はわからなかった。だが、その理由が明らかになりつつある。それは、内申書につける点数の売買という事実である。

実際、奈良県下では中学校ごとによってレベルの差があるために、ある中学校では優秀とされる学生が、別の中学校では平均と評価されることもある。それは県下の中学校がどうレベルではない以上は仕方のないことである。勉強に熱心な地域とそうではない地域というのは奈良県に限らずどの都道府県にでも存在する。しかし、奈良県の特殊性は、高校進学時の受験の際に内申書が大きな決定権を持っているということである。そのため、中学校の教員は学生の高校進学に関して大きな権限を持っていることになるのだ。そのため、保護者と教員の間では長い間、金銭のやり取りが慣習化しているという事実がある。

そのため、私の高校時代の友人のように高校時代の成績も優秀で大学進学も旧帝国大学といわれる大学の工学部へ進学するだけの学力もあり、インターハイに出場するくらい部活動にも熱心だった彼のような学生でも内申書の内容が悪くなる可能性があったわけだ。というのも、内申書は絶対評価ではなく相対評価であるから、誰かの評価を上げるには誰かの評価を下げる必要が生じる。彼は下げられた学生の一人だった可能性が高い。

そして、そのような状況下で、中学校の教員は内申書に関して保護者面談などの機会に金銭の要求を臭わせるようになった。ある保護者から数年前に聞いた話では、教員から「私のさじ加減ひとつで進学先が変わるんですよ」と言われた事例もあったようだ。また、私の知人は実体験として、「裁判だって裁判官の胸三寸で判決が決まるんです。内申書だって同じですよ」と教員から言われた経験がある。

そして、私の前々職の先輩女性は教員から金銭の要求ではなく性的な要求を受けていたという事実がある。今回の事件も不倫というよりは性的な要求の結果ではないかと考えるのだが、どうだろう。

多くの教員が日々のストレスを抱えている。開かれた学校はモンスターペアレントや不審者による事件などを誘発している。そして、『ゆとり教育』とその転換と現場の教員の多くはそれらへの対応に追われている。給料も決していいとはいえない。確かに老後の安心ということから公務員である小中学校の教員は優遇されているかもしれないが、それは先のことでしかない。安い給料を何とか自分の手で増やしたいという思いから、保護者が差し出すお金を受け取り、不正に手を染めてしまったのが始まりかもしれない。そして、それが慣習化することで現金を要求するような教員が現れ、そして、性的な関係まで要求するような教員が現れたのかもしれない。

たまるストレスをどこかで発散する必要があるのかもしれない。しかし、法に触れるようなことはしてはならない。

私の友人で兵庫教育大学を卒業し教員をしているA氏はいう。「指導力不足の教員が多いというのは確かに問題だ。この問題は軽視できないが、それ以上に、モラルのない教員が増えていることが問題だ」と。

そのとおりだと私はこの事件の記事を見て、思う。A氏が昨年末に上記の発言をしていたときは漠然と、「そうなのか」と聞き流していたが、事態は深刻な状況を迎えているようだ。教育の改革が叫ばれて久しいが時間ばかりが流れている。抜本的な改革は可能なのだろうか。A氏は昨年末、「教育改革は教員改革だ。教育の崩壊の原因を家庭や地域に責任転嫁する前にまず、教員を入れ替える必要がある」「保護者や地域と連携している教員は順調に職務を遂行している。そうでない教員は学校を去るべきだ」と言っていたが、そのとおりだと思う。

保護者や家庭、地域を変える前に、教員自身が変わるべきなのではないだろうか。しかし、上記のような事件が発生し、上記のような事態では「保護者や地域から信頼される存在」になる以前に、真っ当な人間になるほうが先だろう。


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