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日本史を必修化と義務教育の充実 [教育]

日本史に関する知識が欠落している日本人が多い。地理も同じことで、日本人なのに都道府県の位置がわからない、県庁所在地の都市名が答えられないなどの問題も発生している。そのうえ、世界地図で主な主要国でさえ、その位置とその国の首都がわからないなどの恥ずかしい状態になっている。

たとえば、アメリカの首都がワシントンD.Cではなく、ニューヨークだと思い込んでいた大学生は意外に多い。また、日本でも同じことで、東京の有名私立大学の大学生の約30%が名古屋市が愛知県の県庁所在地であることを知らなかったり、40%弱が松山市が愛媛県の県庁所在地であることを知らなかったりする。

同じことが歴史においても生じている。最初の征夷大将軍を源頼朝と覚えている大学生は多い。しかし、それは鎌倉幕府を開いたにすぎない。初めての征夷大将軍の坂上田村麻呂なのだが。それに、初歩的な日本史の知識のほとんどにこたえられない大学生が増加している。

その背景には、日本史の未修得という問題がある。日本人でありながら、自国の歴史をほとんど知らない。知っていても間違いが多いなど、問題は山積している。

小学校、中学校での基礎的な歴史の授業がお座なりである上に、高校では科目が細分化され、日本史、世界史、地理から選択というようになっているということがその背景にはある。

よく、週休二日制とゆとり教育が日本の教育の水準を下げたと思われがちだが、それだけが理由ではない。

何よりも教員の怠慢にある。授業の準備をせずに授業に臨む教員が多数を占める現状が問題だ。私が中学時代に知り合った公立の某中学校の校長経験者の方が、少し前に話されていた現状を聞いて驚いた。

というのは、その方は今、若手の教員の育成のために、教員の教員をボランティアに近い形でされている。依頼主は市役所であるようだが、その理由は教員のレベル低下に歯止めをかけるために熟練の教員のノウハウを学ぶということにある。しかし、その先生は嘆かれていたが、各中学校を回るが授業のレベルが低く、教員自身が予習していない。要するに、授業準備を怠っている。それで、学生に予習・復習の大切さを説いても全く意味がない。

また、授業の進め方などのノウハウを教えるために研修会を開いても、プライベートの予定を理由にほとんど参加しないという。研修会は2ヶ月前から告知されていたのにも関わらずだ。また、最近の教員の授業用のノートがルーズリーフ化しており、その枚数や内容も少なくなっており、学生の興味を誘うための工夫なども一切見られなくなりつつあるという。また、実習などを嫌う傾向が多く、草花や果樹の育成などは休み期間の出勤が伴うために特に嫌がる傾向があるという。しかし、それは学生が物事に関心を持たせるうえでも大きな役割を果たしているだけに嫌でもしなくてはならないと訴えるのだが、反発が大きいという。

また、日本史の必修化が困難な現状の理由は、日本史を教えられる教員の不足があるという。その理由はすでに、今の教員自体が、選択制のなかで日本史を選択しなかったことに遠因があり、その結果、日本史を教えられる教員は少ないという現状を招いている。さらに、日本史の必修化には教員関係の一部団体の反対も根強いという問題もある。というのは、日本史教育=愛国教育であり、日本史を学ぶことは軍国主義につながらるという全く理解不能な主張もあり、それが教員という特殊な世界ではまかり通ってしまっているのだという。

それらの是正を図り、教員の質の向上と、科目の必修化の見直しなどを取り急ぎしなくては、この国の教育レベルは諸外国から侮りを受ける結果につながりかねない。人の交流が盛んになる現代に自国の歴史を語れない国際人などというものは軽侮の対象以外の何物でもない。早急な改善が求められる。


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