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北京五輪を取り巻く諸相-人権問題- [国際]

中国での問題の中でも大きな問題のひとつが人権問題である。たとえば、生存権のなかでも比重の大きい居住権に関しても、強制収用が平然と行われ、移住先さえない状況がある。今回の北京五輪に際しても、施設の建設のために居住権を否定し、多くの住民を強制移住および強制退去させ、それもできない場合には強制的に住居を取り壊すなどし、一部では暴動化した。しかし、これは明らかな人権侵害である。

また、住む地域を限定したり、職業の選択の自由がないなど多くの人権問題が中国にはある。また、労働においても、人権軽視で多くの労働者の生命が危険に曝されている。山東省などの炭坑や鉱山では毎月のように崩落が起こり、多くの労働者が生き埋めになるなど被害が出ている。しかし、中国政府はそれに対して指導を行うというような対策はしていない。国家の成長のためには仕方がないという態度で静観している。

さらに、少数民族に対する差別が厳然として存在する上に、独立運動などを行う政治犯に対しても死刑をはじめ牢獄内での虐殺などが絶えない。さらに、恣意的な法の運用で政府にとって好ましくない人物を死刑にするなど三権分立がなく、政府がすべてを支配する状況にある。また、この政府が共産党一党独裁体制であるということも人権問題に深く影を落としている。

中国も早くに一党独裁体制から複数政党制に移行し、国会を設立すべきだ。よく、「日本の国会にあたる全人代」という言葉を日本の報道で耳にするが、これは全くの間違いである。全人代は共産党による選抜でしかない。中国の国民は全人代に参加する議員を選んだことは一度としてない。選挙を経ない国民の代表とは何か。選挙で選ばれていない議員の集まりが国会にあたると表現していいのか。それらも考えなくてはならない問題だが、人権問題の解決には存在感のある野党の存在は欠かせない。政府を批判する政党が存在しない国家では人権問題などの問題の進歩は図れない。

中国政府は早い時期に野党の存在を認め、一般国民の政治活動を規制するあらゆる法律と慣習法を撤廃し、民主化を図らなくてはならない。それがさらに発展するためにも必要な施策だからだ。


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yukikaze

nina様、mako様、flutist様、niceありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
by yukikaze (2008-08-11 22:28) 

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