SSブログ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

JR福知山線脱線事故から3年 [事件]

尼崎市のJR福知山線(塚口-尼崎間)で起こった惨劇から3年が過ぎた。106名の乗客と運転士が亡くなった。しかし、あれからも各地で鉄道事故は続いている。錯綜した原因究明も一段落したが、本当に事故調査委員会の報告が正しいと言えるのだろうか。この春、事故で負傷した大学生が卒業するというニュースも流れたが、事故で亡くなった大学生はもう卒業することも話すこともできない。事故で夫を亡くした妻、父を亡くした子供、いろいろな遺族が生まれた。その原因が何だったのか。

事故当初はいろいろな説が憶測で語られた。置き石説、踏切事故説など当日、情報は錯綜した。そして、飛び込んできたのはマンション1階に叩きつけられるようにしてぶつかり大破した車両の光景だった。それを多くの人は1両目であると理解していた。しかし、それは2両目で、1両目はマンションのピロティ部分から地下駐車場に向かって突っ込み、大破していた。多くの乗客がこの1両目と2両目で死亡した。

そのマンションは今はJR西日本が買い取り、慰霊を行う場として整備を考えているという。当時、このマンションの住民の車が大破していたことから、一部マスメディアがこの自動車が当該車両と事故を起こして、この惨事に至ったと報道し、自動車の所有者の責任を追及したこともあった。また、マンションの住民が移住を望んだ際にも、大事故のさなかに自己中心的だとして批判したマスメディアも存在した。このマンションの住人もまた被害者であったはずなのだが、マスメディアは彼らを加害者であるかのように批判していた光景がこの国のマスメディアの異常さを露呈していた。

また、事故の背景を探るマスメディアの中から、一部のJRの労組の主張を鵜呑みにして、日勤教育が事故の原因であったとする論調も流された。のちに事故との因果関係は否定されたが、当該報道をしたマスメディアはいまだに、自社の報道が間違いであったことを認めていない。

さらに、この路線に設置されていたATSが旧式であったことが事故の原因の一つとして唱えられたこともあったが、旧式のATSでも、運転士が通常勤務をしていれば事故は十分に回避することが可能であったことが判明しており、設備が遅れていたことが事故に直結したとまで言えないことも判明している。ただし、設置されていれば運転士が通常の状態でなかったとしても事故が回避できた可能性はあるが。

この事故に関して、マスメディアなどではJR西日本の体質や日常業務の杜撰さなどを指摘する論調が続いているが、私が見る限り、この事故は明らかなヒューマンエラーによって引き起こされたものだ。運転士が再三のオーバーランなどによってダイヤより遅延が生じ、それを回復するためと、車掌が行う中央指揮所への報告内容を盗聴することに気を取られ、ATSなどの警告を聞き逃し、事故の回避を怠ったことが事故の原因であったと思われる。たしかに、そのような人物を運転士として採用したという点と、その人物への教育が妥当なものであったかどうかという点ではJR西日本の責任は重い。

この事故から学ぶ反省とは何か。そのあたりを深く考えなくてはならない。二度と、このような事故を起こさないために、安全を確保する交通システムを構築することが望まれている。


ブックマークボタン
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(3) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 3