SSブログ

物価高騰とバイオ燃料 [経済]

物価高騰が続いている。小麦も乳製品も値上げが相次いでいる。外食産業もそれに伴い値上げを始めた。企業努力も限界ということだろう。しかし、根本的に物価高騰が相次いでいるのだろうか。ある馬鹿げたマスメディアはすべては政治の責任だとして、福田内閣の責任だと主張し、東京都心の街頭で国民の意見を求めた。ほとんどが物価高騰に困っているという意見であった。そして、暫定税率と物価高騰を一緒にして福田内閣への国民の怒りは大きいとしていたが、これこそ『誘導』という典型だろう。また、ガソリンが30円以上値上がりしたことに関しても、すべてが暫定税率によるものというような主張を垂れ流す愚かなマスメディアもあるが、これも正確ではない。「税金」+「4月の原油価格の値上がり」=「30円以上」というのが事実で、税金だけで30円も値上がりしたわけではない。

しかし、この物価高騰の責任が福田内閣にないかといえばそうではない。ガソリン代が上がれば、輸送代金も上がるのだから、物価が高騰する一因ではあるのは確かだ。とはいえ、物価高騰の最大の要因は、小麦および飼料の値上がりにある。飼料が値上がりすれば、牧畜関連の製品は値上がりするのは当然で、乳製品全般が値上がりする。小麦と乳製品が値上がりすれば多くの外食産業では影響が出ることは避けられない。

だが、なぜ、これほど飼料や小麦が値上がりを続けているのか。国際市場での値上がりが影響しているのだが、原油の高騰と同じく、マネーゲームの結果という側面もあるものの、より大きな原因は、オーストラリアの旱魃とその後の大雨という天候不良にある。それらの旱魃と大雨は気候の異常であり、環境問題とは切り離せない。それらに対する日本政府の取り組みが充分であったか、特に京都議定書を取りまとめ、実行力を持たせることができなかった点は政府の失策であるともいえなくはない。

とはいえ、オーストラリアで小麦と飼料が不作になっただけで世界経済がおかしくなったというのは正しくはない。原因のひとつであるに過ぎない。より大きな原因は、バイオ燃料問題である。米国を中心にバイオ燃料を推進する政策が採られているが、結果的に、バイオ燃料を製造する為に多くの農作物を消費するのだが、それらの農作物の多くが小麦であり、飼料として使われてきたものだったことから、市場でそれらが不足した為に、価格が高騰したといえる。

化石燃料に頼る現状を変える為にバイオ燃料への切り替えを進めているのだが、結果的に、いろいろな農作物の価格に影響し、米国内でも、酪農農家などでは、家畜に与える飼料が高騰して廃業するなどの影響が出ており、バイオ燃料の材料となる農産物を生産している農家は潤っているが、その反面、同じ農家でもそれらの農作物を飼料として使用してきた酪農農家は倒産の危機に陥っている。

世界的に見て食料が不足していると言われる現状で、その食料をバイオ燃料に加工するという政策は正しい選択であると言えるのだろうか。エネルギーを製造するにもいろいろな方法がある。多くのエネルギーは電気にして使用することから、発電に力を入れるべきではないか。モノを燃やしてエネルギーを得るものの多くは電気エネルギーに置き換えることが可能だ。自動車でも電気自動車にすることで化石燃料を使用しないでも使用することが可能になっている。電気を発電する方法にはいろいろな方法がある。そのなかでも、自然に優しい発電は、風力、波力、地熱、水力などがある。原子力も優良な発電方法だが、その安全性など多くの問題点もある。しかし、電力を発電を増産することでエネルギー問題を解決すると言う方向性は正しいはずだ。少なくとも、バイオ燃料のように不足気味の食料を燃料にするという方法よりは。

私は提言したい。バイオ燃料の生産を即時中止し、エネルギーの確保は発電による方法とし、自然界にあるエネルギーを使用するようにと。風力、波力、水力、地熱など多くの使用できるエネルギーがある。その有効利用を考え、それらの研究に各国は注力し、環境を守りつつ、食料を確保し、なおかつ、エネルギーを充足できる社会を実現すべきではないか。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。